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EXODOS〜カルト化した教会や信仰という名の虐待からの脱出支援ページ


Sクリスチャンセンターに見られる教義と活動

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 ある方には辛い内容かもしれません。情報を求めておられる方、客観的に見られる方に、お読みいただきたいと思います。


■更新項目■

2008/5/30 1−O.『新たな段階に入った』『霊的な段階があがった』〜進展する組織の霊的な姿を表現 を追加

2005/6/14  1−F.a−2)『地域の霊の縛り・霊の戦い』『地域を占領する歩み』

2004/12/10  1−A.体制・目的(加筆)

12/10  1−L.この世や人より『神を選ぶ』 その報いの法則(加筆)

12/6 4−d)「今わざが現れているのでSクリスチャンセンターに間違いはない。権威者は神が裁く。」

12/1 1−H.)『感謝と賛美』『ことばには力がある』との法則とメンバーの自由な発言への規制


文責:y.niho (プロフィール) (管理人の体験と認識)
(脱会者:元Sクリスチャンセンター鎌倉教会牧師('93-97)北九州教会牧師('98-99))



『 』内は、Sクリスチャンセンター内で、通常使われている言葉です。)

 『「Sクリスチャンセンター」の名前は神の示しであり、主(キリスト)が十字架に架かって死の犠牲にまで従ったように、クリスチャンが苦難や殉教の危険を負って神に従い奉仕をして人生を送るという、神の召しがあらわされている』と言う。(本文1−C. 殉教精神『十字架を負う』

 ここに書く活動内容は、主に、主管教会である東京教会(牧師:教団創設者『責任長老』A氏)と長崎教会(牧師:『責任長老』K氏)と付属する「神学校」、海外宣教他関連団体での2004年までの複数の人の体験に拠ります。

 その他のSクリスチャンセンターに属する教会では、主管教会の影響の強さや、各牧師の姿勢によって状況に差はあります。影響が強い教会は、牧師たちの中でも上位格の『長老』がいる教会でした。これ以外の教会でも、下にまとめた教義を踏まえた説教をし、教会スタッフや神学生による実践をしていることがあります。


 日曜日10時台の礼拝は、通常は穏やかな内容になっており、神学校入学を勧誘されたり、奉仕や手伝いを請われても、必ず断り、信徒として参加しつづける場合には、このような体験をすることは無いと思われます。

 Sクリスチャンセンターは、出版社、新聞社、音楽出版社などを運営し、一部キリスト教書店が出版物を販売しています。また、組織をそのまま利用した形でNPO法人による孤児院運営をしています。(東京都所管)その法人は、Sクリスチャンセンターの名を表に出さない形で、会場契約をしてNPO活動の広報を行うことがあります。法人の広報HPにもSクリスチャンセンターの名がありません。この法人については既に社会活動として認知されて事業が進行しているため、運営の透明性が望まれます。
 これら全てのSクリスチャンセンター関連法人は、実質Sクリスチャンセンターの『責任長老会』が主導する下部組織であり、教団創設者A氏と長崎のK氏による指導下にあると言えます。SクリスチャンセンターメンバーはSクリスチャンセンターの宗教活動の一環と考えています。
 また、Sクリスチャンセンターグループは全国で活動していますが、日本の宗教法人格を持っていません。(米ロサンゼルス教会だけが、カリフォルニア州の宗教法人認可を得ています。)

 

Sクリスチャンセンター全容組織図

(これは、筆者がSクリスチャンセンターのホームページに以前にあった組織図を模して作ったものです。Sクリスチャンセンターは地方教会を自己責任で参加している独立教会としながら、実際は創設者・『責任長老会』の下部にあると認識し、従うことで信仰が守られるとします。この体制を『カバーリング』と言います。)



序文



 Sクリスチャンセンターには「信仰が守られるため」という理由で、牧師と信徒の間、『(牧師の中の)責任長老・長老』と牧師の間に、主従関係があります。

 Sクリスチャンセンターは、プロテスタントキリスト教の中の福音派・カリスマ派キリスト教会を名乗って信徒を集めていますが、無条件の贖罪・救い・愛などの基本教理よりも、聖書と『神の御声』への服従として、『終末の使命』、『聖霊の働き』とする世界伝道、教会内の『権威と秩序』への服従を、教義として強調して、服従の結果として万人単位の巨大教会(メガチャーチ)になるとしています。

 その教義を一人で主導するのは教団創設者A牧師(責任長老)で、参加する人に教義に従うことを求めています。創設者A牧師が『神に示されて』任命した『責任長老』『長老』たちが複数居り、その配偶者たちと共に、創設者の教義と『オーダー』に『徹底して従い』、実践します。彼らを現代の『使徒』『預言者』と認める牧師と信徒が活動的に『徹底して従う』ことで組織的な動きをしています。

 創設者A氏は、プロテスタント福音派の聖契神学校を卒業し、福音派の馬橋キリスト教会副牧師を経て、1984年に『神の示し』があったと言って東京国分寺でSクリスチャンセンターを設立します。

 A氏は、自分がSクリスチャンセンターで『責任長老』・牧師として語る言葉を、『神の示し』『神の御声(みこえ)』によるものとしています。その「示しの言葉」を『信仰の行い』によって実践し、この教団と教会を運営していると言います。

 A氏と『長老』たちは、A氏が語るビジョン・教義を厳格に文字通り行おうとします。彼らは、教義の実践において、『神の示しによって行う』と言います。その結果、他の教会や社会常識とは違う説教や指導をすることがあり、教団内で『権威』が上である程、厳格な指導をします。

 この教団の活動に献身的に参加することで、社会生活や精神面に明らかな変化があらわれる人が居ます。

 下位の教会奉仕者は、創設者と『長老』たちの意向にできるかぎり忠実に従って、世界への伝道拡大を目指す『リバイバル』について、自分の任されているグループに教育していきます。それは信仰的動機によるもので、自分にも他者に対しても疑問を感じないほどの積極性を持ちます。



 Sクリスチャンセンターは、教団の教義や立場、規約について詳しく記した公式の文章を持ちません。

 教団の方向性は、創設者A氏による発言・配布物・著作物によって決まります。
 注意や処分については、現場の最終責任を持つ者が聖書を読み『神の示し』によって決めます。

 本文「1.教義的特徴」で、創設者や教職者・献身者の発言や記事と、教団内に浸透していた共通の認識から、実質的教義と言えるものをまとめてみます。

 「2.活動のあり方」では、信仰の仕組みや実体験などをまとめます。





■1.教義的特徴


1−序.) Sクリスチャンセンターが主張する教義や『預言・神の示し』とされる文言のすべては、聖書の内容とキリスト教カリスマ運動・ペンテコステ運動の独自解釈や焼き直しとその組み合わせであり、神学的に独自のものは無いが、教団の末端に至るまで「実践」を重視しているところが特徴。

 一般的なキリスト教会は、その教理のあり方や指向として個人の救いや成長を目標にするが、Sクリスチャンセンターは、それ以上に世の終りや預言、神癒など自然を超えた現象を強調し、活動的な信徒を集める。以下にまとめる。

▽聖書の内容、キリスト教一般教理、信仰、聖霊運動、終末論を組み合わせた説教や『預言』をして、今にも世界でキリスト教信仰への大規模な回心(リバイバル)が起こり、終末、キリストの再臨が続くと言う。それで教団への参加を動機づける。

▽創設者・教職者の霊的・奇跡的体験として『信じて従い行動した結果神が働いた』という。これが教義を裏付ける強力な証明と受け取られており、合わせて神の働きを起こすために「従い実践する姿勢」を強調することで教義の実現に説得力を持たせている。見聞きした人が、Sクリスチャンセンターは社会に決定的な信仰の覚醒を与えるとの印象を持ち、自ら参加することでその役割を担えると思う。

▽説教や『預言』によって世の終わりの出来事を語る。その中味は聖書から「救い」を解き明かすものではない。黙示録の世の終りの戦争や苦しみ、神に選ばれない人の悲劇を、現実にもうすぐ来ると確定的に語る。その中で終末の困難ために教会組織を強化する必要があるとして、『使徒・預言者の権威と秩序』を強調する。またそのような終末的動機で『神への献身』『教会に従うこと』を求める」

 創設者A氏が発表する『預言』『神の示し』は「神に任命され、与えられた権威によって吟味したことば」であると言う。『預言』を通して、伝道形態・組織・方法論・教義が発表されている。創設者A氏は神学校や牧師会の場で『預言や癒しによって人が集まる』『神は終末の器(教会奉仕者)を集める』と頻繁に語り、勧誘活動を奨励する。創設者A氏も参加する『預言者祈祷会』では預言者同士が『霊的流れを合わせる』として2時間ほど週に数回『預言の訓練』をする。
 一方参加する側は、劇的な奇跡を行う神を普遍的なものと信じ、その流れで『預言』『終末に選ばれた教会』『終末に起こるリバイバル』『聖霊による病気の癒し』を信じている。牧師・奉仕者たちは創設者の一連の発言や『預言者』活動に従い、彼の語る体験を信じることを純粋なキリスト教会活動と確信する。

 創設者A氏は、教義を発表し説明する時に頻繁に以下のものを引用してきた。

救済論:アルミニウス主義

聖餐論:ルター派(共存説)

聞き従いと結果の現れ:ジョージ・ミュラー著「ジョージ・ミュラーの祈りの秘訣」

聞き従いと虹のしるし:ジャック・ヘイフォード著「オンザウェイ教会」

現代の聖霊の働き:デニス・ベネット著「朝の9時」 チョー・ヨンギ著「第四次元」

「感謝と賛美」:マーリン・キャロザース著「獄中からの讃美」

終末論:高木慶太・芦田拓也共著「これからの世界情勢と聖書の預言」

日本宣教の遅れ・神への絶対服従:イザヤ・ベンダサン著「日本教について」

 また、一般的な教会では認められていない特異な部分として以下のことを発言している。

『日本人の祖先は、失われたイスラエルの十部族の一つだろうと思う。』

▽日付・暦へのこだわり

『クリスマスは、異教の祭りを引き継いだものであり、神のみこころではない。』

『太平洋戦争の開戦終戦が、カトリックのマリヤの記念日であり、悪霊の働きと関係している。』

ユダヤ暦の祭りなどにからめ『「その時期には、必ず海外に行っていなければならない。」と神に示された。』と言い、『海外宣教』(現地で祈り、預言、霊の戦い、イスラエルツアー、コネクション教会で説教、コネクションの出会いの求め)を行う。

『「満月の夜に祈祷会を開きなさい。天使が降りてきて、終末のことを示す。」と神に示された。』(これで、満月の日毎に深夜祈祷会を開いている。)

『新年のはじまりを11月にするように示されたので、毎年「イエスがこだわられた(イスラエルの)ガリラヤ」で新年礼拝を捧げる。』(2004年〜)

 創設者や『預言者』は、海外の信仰運動や個人の奇跡体験を織り交ぜて『聖霊によって来た思い』『聖霊の感覚だ』だとして「Sクリスチャンセンターに特に神が与えた示し」として語る。

以上の背景で教義と活動形態が出来ている。



1−A. 体制・目的と『権威・聞き従い・信仰の歩み・神の主任牧会』

a.)組織・体制(『神の権威と秩序』『神への聞き従い』『神の主任牧会』による)

 「キリストが教会の頭」との聖書の記述を応用して、『イエス・キリストがこの教会の主任牧師である』『Sクリスチャンセンターの教会は主任牧師である神に聞き従って事を行う』とし、実際上の教会組織の想定に取り入れ、教団の特徴付けをしている。しかし、日本国内の宗教法人格は持っていない。

 Sクリスチャンセンター創設者A氏は、自分のこれまでの長い信仰の経験上『神の御声(みこえ)、神の御心(みこころ)』を霊的に聞き取っており、この教会を設立して『神に与えられた権威』を持っているので正しいかどうかの吟味は間違えない、と言うことがある。この教会の『権威』に従うことが神が与えた『秩序』だと教えており、『長老のオーダー』として従うべきこの教会の枠組みがある。活動や教えの成就については、『キリストの主任牧会なので神によってすべてが成される』と言う。この成就のために、神に従う者は教会権威に従わなければならないと教える。これらを『神への聞き従い』と呼ぶ。(当初のメンバーの意識としては『神への聞き従い』は純粋に神に対するものであり、「人の救い」が目的だった。しかし、設立から数年して創設者A氏が神の声の正否判定権を言いはじめ、参加教会に活動を指示するようになった。)

 Sクリスチャンセンターにおいて、神に任命された権威を持つ『責任長老』と、その下の『長老』という役職が設けられた。創設者A氏は、『自分は責任長老と示された』と言い、新約聖書に書かれている『使徒』『預言者』の権威があるという。この職制を『五職』『使徒・預言者の秩序』と称する。現在、創設者は特に『神が立てた権威者』だとして、教会内からの批判は『神の秩序を乱す行い』とする。創設者が持つ権威を批判したら内部の人だろうと外部の人だろうと『神の裁きがある』『神の手が入る』と言い、この秩序を受け入れる者が牧師などの教職者や奉仕者になっている。

 『責任長老会』をトップとして、各教会・牧師・宣教師・関連法人を下に置いているこの教会の体制を『カバーリング』と呼ぶ。長老たちは各教会と個人がその傘下で守られるために従うべきだと奨励し説得する。その選択と結果は『各自の自由意志による神への聞き従いなので自己責任だ』とし、結果責任を教団の教職者は認めず負わない。グループ内各個教会の政治について『会衆制では人の思いが入り「神の御心」が行えないので監督制を採る』と言い、教職者と教会員は『神が直接牧会する。人が入ると神のわざをとどめる』『人間関係に注意』と言われ『人間的な対応』をしないように指導されている。献身者・奉仕者の間では互いに助言やカウンセリングをせず(厳しい教会では禁じられ)、『神にだけ頼る訓練』をする。


b.)体制・活動の目的
 体制・活動の目的を『終末のリバイバルでの巨大教会化』とする。そのために超教派の活動をすると謳い、クリスチャン新聞本誌に出版物の広告を掲載している。「自由意志」により『神の召しに従って』参加した教会員は、『終末のリバイバルのために神が建てた教会』と意識するように勧められ教えられる。また、奉仕者になると『神から自分に与えられたリバイバルの使命』を求め意識する。 (1−B.終末論、1−J.『リバイバル』、2−D.対外的な活動、3.教団活動に至るパターン 参照)

c.)『信仰の歩み』と奉仕
 長老・牧師は、教会の新規活動を神が示したという理由で『目には見えないが活動が霊的に存在する』と言い、『神への聞き従いによる信仰の歩み』と称して無人の集会、起業、会場契約を行うことがある。この実行のために外部関係者に事実と違う説明をする場合が出てくる。奉仕者は家庭・日常生活・健康の状態をおしてまで献身的活動をすることがある。教職者は新しい活動毎に信仰に訴えて献金要請し、額が満たされると上を向いて頭の上で拍手をして「神の計画だから感謝します」と神をたたえ、「神に栄光を帰している」とする。

d.)『神の手のあらわれ、証し』
 『責任長老』
は、『神のみ声に聞き従った結果として、神のみ手があらわれ、預言、病気の癒し、国内100教会設立、出版とNPO法人の活動、海外宣教、海外教会の設立、海外の有名牧師との関わりができた』とする。これらのことを、『神への聞き従い、(実践的な)信仰の歩み、神の召しに従った結果で、正しく召しと示しに従わないと結果は出ない』と言い、この教会独自の歩みなんだと印象が残る。
 『神への聞き従いの結果は、神が責任を取る』との言葉で、神に委ねるように勧めがされ、目に見える結果が出ない時は『信仰の歩みである』c.)とされる。
 奉仕者の説教はこれらc.),d.)の内容が多くを占め、現実的で悲観的な事実は『感謝と賛美』や信仰的見方(1−H)に言い換える。(この種の説教の聖書テキストとして創世記22章【息子イサクを犠牲に捧げる】、マタイ14章29【湖の上を歩くペテロ】、ローマ4章19,ヘブル11:8等【アブラハムの信仰 】が決まって使われる。)

e.)服従の要求と叱責
 上のような『神の手の働き』とされる活動のために、教会奉仕者に対して、『神への聞き従い』の範疇として、教職者からの『オーダー』(2−A.a−2)に従うよう命じる。
 日常の軽い『オーダー』に不注意で従わなかった場合は注意で済むが、重要な『オーダー』を果たせない場合、『神への不忠実』として厳しく叱責され、立場から降ろされたりする。
(1−K権威者の優越・責任の所在、2−B.g『オーダー』参照)

f.)『神への忠実』と『権威者・教会の流れに従う』が同義
 『神への忠実』と『権威者・教会の流れに従う』が同義で、Sクリスチャンセンター内の良否の基準である。
 これが天と地ほどの差がある二元的価値観となっている。社会一般の問題についても、「人は神の秩序に従わなければ、不幸になる。」と教える。教会員は「神の秩序に従うSクリスチャンセンターの長老・牧師の動きを見て、神に従うことを学び、その権威を認めねば神に見放されるかもしれない」と深く教会に根付こうとするほど、そう思わされる。
(1−B.終末論から世界観を植え付ける、1−F.a.社会を支配する悪霊、1−G.教会の神聖、1−L.報いの法則 参照)

g.)他教会・社会への優越感
 教団の神に従う姿勢が、他のキリスト教会や一般社会に優っていると感じ、人によっては排他的な意識になる。その人は特別な『神の臨在』『神の計画』があることを頻繁に語る。活動実績や『病気の癒し』などが神のわざの証しとされ、説教や神学校授業に挿入され、「教団に留まることによる正しい『神への聞き従い』の結果である」と強調される。 (1−F.a.社会を支配する悪霊、1−G.教会の神聖、1−L.報いの法則 参照)



1−B.終末論から世界観を語る

 『責任長老』は、以下の終末論を基準に世の中の事象を判定し、神の目から見た価値観として、教会員に教える。この判定を『見分け』と呼び、この価値観を『Sクリスチャンセンターの流れ』『教会の流れ』と呼ぶ。教会員は、これを日常の判断基準にするよう勧められる。

 『今は終末の時代であり、イエス・キリストの再臨と神の裁きが近い』と語り、世の終わりの切迫感を持つように、「世の終わりにちゃんと神に選ばれているかどうか」などと表現をする。ベテランメンバーは「世の終わりが間近だ」と現実味をもって感じている。個人が神に聞き従ったかどうかによって、現在と死後または終末期に、神の裁きと取り扱いに違いがあると強調し、「永遠の命」を落とさないため、神の裁きを避けるために、教会と牧師に従うことを促す。 (1−F.a. 社会を支配する悪霊、1−M. 情報統制 参照)

 Sクリスチャンセンターの終末論のポイント(これらを基準に、終末の近さを悟らせ、生活の姿勢を『神の側』に転換することを促す。)

▽神が人を評価するのに、神と教会への従い度によって差別的に評価する。

▽Sクリスチャンセンターの活動を批判することは、神に反することで必ず裁かれる。

▽EU(ヨーロッパ連合)が『復興のローマ帝国』であって、『反キリスト』が首長に立つ。また、アメリカが没落する。

▽エルサレムの「岩のドーム」の場所に、ユダヤ教神殿が復活する。

▽イスラエル民族が、世界から集められ福音派聖霊派クリスチャンになって救われる。

▽信仰、従いの度合いで『艱難前携挙』で神に選ばれず取り残される恐れがある。

▽戦争、大地震、不況などの災いにより、多くの犠牲が出る事で、『リバイバル』(1−J)という大規模な神への回心が起こる。



1−C.殉教の精神の勧め、『十字架を負う歩みをする』

  『「Sクリスチャンセンター」の名前は神の示しであり、主(キリスト)が十字架に架かって死の犠牲にまで従ったように、クリスチャンが苦難や殉教の危険を負って神に従い奉仕をして人生を送るという、神の召しがあらわされている』と言う。この自己犠牲の信仰が、この教団の献身者のバックボーンであり、権威者への服従や厳しい叱責をする根拠でもあり、携挙や天国での報酬(待遇)が受けられるとの根拠にもなっている。

 その延長として、日本最初の殉教者『長崎26聖人』の殉教日を記念して、毎年『長崎殉教聖会』を行う。

 現代でも海外で信仰や伝道のために『殉教』があることを語り、正に命がけで信仰を持ち、奉仕をすることを勧める。献身者は、これによって信仰的な動機を得て、自らの意思で決断し、海外の危険地帯や国内への任命を受ける。しかし、保障制度は無く、組織的バックアップ体制が十分ではない中で、単独で派遣されたり、または、現地在住者が奉仕者に任命される。

 

1−D.『聖霊の賜物』による癒し・奇跡の強調

a.) 新約聖書第1コリント書12章を根拠に、『聖霊の働きによる、神の指示、予知や、病気の癒し、悪霊の見分けと追い出し』を実践するという。この『聖霊の賜物』の働きによって『リバイバル』が起るという。

b.) 聖霊による自然法則を超えた現象が、『リバイバル』のために教会員の一人ひとりを通して起こると言い、『賜物の訓練』として、教会員に『異言』『預言』『癒しの祈り』の実践を求める。

c.) これらの『聖霊の賜物』の各々の実践を管理し統制するために、上位権威者への絶対服従が求められる。 (2−A.b 参照)

d.) 教団創設者は、そのような聖霊による『預言』『見分け』『示し』を受け、現実の出来事と照らし合わせて『吟味』の上確認し、特別の正確さを持って、個人と社会・世界情勢の未来を予見している、という。この『神の示し』と確認に拠ってSクリスチャンセンターの教義(活動の根拠)や奉仕者任命が決められている。 (2−A.a−4)参照)

e.) 『リバイバル』への期待を与える『神のわざ』として奇跡・病気の癒しを教会内で強調する。 Sクリスチャンセンターではまず創設者・教職者家族の奇跡体験がそれを裏付ける根拠として認識されており、「医学的にも奇跡」という表現内容が報告される。しかし、天候の変化、偶然の出会いなどの些細な事も神の手として報告され、日常生活にも神秘体験を見ようとする信仰的姿勢を持つ。

 

1−E.『神の召し』(calling)の強調

 『終末が迫っているので、この時代の全てのクリスチャンはリバイバルのために献身するように、神に召されている。』という。Sクリスチャンセンターが世界のリバイバルに備えた『神のからだ』で、教団を通して世界のクリスチャンを『神が用意したリバイバルの器』として訓練するのが、現在の活動主旨という。

 「一人一人に神の特別な召しがあり、神から与えられる『聖霊の賜物』によって行う伝道の個人的使命がある」と言う。この福音派・聖霊派教会の一般的教えに付加して『終末の裁きの前に、神に聞き従うことで特に大きく発揮される』と言う。

 終末の人類の救いへの切迫感を言い、伝道の使命への応答に本来の人生の価値がある、と語る。応答しないことに神への罪悪感を持つだろう、召命を惜しみ後悔するだろう、と言い、「神が人の働きを必要としている」と鼓舞する。Sクリスチャンセンターが使命の場であると『預言』・説教で語る。

 新約聖書エペソ書4章11節にある初代教会の「使徒、預言者、伝道者、牧師、教師」を、現代でも教会の普遍的な職制とする。これを『五職』と呼ぶ。これを『聖霊の賜物』1−Dと関連付け、『神が献身者に最低一つ以上の霊の賜物を与え、五職のどれかに召している』と言う。また、『神が一人一人に与えた(運命づけた)人生の最善が顕れるのは、献身した時』とする。

 信徒が個人生活に問題がある時に、『神の召しに従っていないから』『献身することで解決する』といって、神学生・奉仕者になることを勧めることがある。

 

1−F.『悪魔・悪霊』の存在の強調

a.)社会を支配する悪霊

a−1)一般の社会や人が悪霊に囚われているのが原因で、人が神を信じず、教会に来ず、救われない、と言う。また、現在の社会が神に反する行いをしているので、裁きとして悲惨なことが起きる、とする。このままでは、皆、死後地獄に行く、と語る。
 これは、「自分たち以外の人類は、悪霊の影響下にあって滅びに向かっている」という決定的運命論を導いている。このことが、伝道の使命と義務に捕われる原因となり、動機付けの非常に大きな部分になっている。

a−2)『地域の霊の縛り・霊の戦い』『地域を占領する歩み』

 Sクリスチャンセンターは『神のみ声』に従うので神の支配と守りがあり、社会は悪魔の支配下にあるとして明確に区別し、教会が地域の悪霊を追い出したり封じ込める必要を説く。これを『地域の霊の縛り・霊の戦い』と呼ぶ。
 また、各地で霊の戦いを行い、そこに教会を置いて活動することを、『サタンへの勝利』『地域を占領する歩み』と呼ぶ。教会の地域や国の端に行って、悪霊を縛り断ち切る宣言と祈り、神の支配の宣言と祈りをする。聖書の天使や悪霊の記事から抜き出して、四隅や最も高い場所に行って行う。集会場では、エリコの城壁が崩れる聖書記事に倣い7周まわったり、『聖水』を入れた容器を四隅に置いたりする。
 日本各地と海外に教会ができることや、伝道や癒しが進むこと、出版・孤児院などの組織の活動について、信仰と霊の戦いの目に見える結果だと、メンバーは信じている。それで、活動に耐える自己説得を行う。


b.)個人・教会と悪霊(2−B.b〜e参照)

b−1)『サタン』『悪魔』『悪霊』が、隣人や家族などSクリスチャンセンターの教会の外で働き、Sクリスチャンセンター教会員を攻撃していると強調する。『重大な働きや教会の活動、使命が大きい人に、特にアタック(攻撃)が強い』とする。逆境の原因を、このためだとすることが多い。

 これは、キリスト教信仰による救済を、悪魔が阻もうとするため、と言う。それで、神の救済計画に従わない者には悪霊が働いて、神に従うSクリスチャンセンターの教会員の活動や生活を攻撃する、というパターンを主張している。逆に、クリスチャンでなくてもSクリスチャンセンターに協力する人には『聖霊を感じる』と言う。

 『悪霊に勝つには、立ち向かうしかない』と言われ、『立ち向かい』の内容として、より積極的なSクリスチャンセンターの教会活動を求められる。そのため、Sクリスチャンセンターの教会活動を、すべての人間関係、社会生活、家庭生活に優先させることが教義となっている。その中には、神学生・奉仕者になることへの促しもある。「神の召しがあり御心が大きい人には、より試練や攻撃が大きい。献身することで、教会の奉仕をすることで、神の守りがある」とする。

 これは『預言』や説教や神学校で言われており、脅しのように選択を迫られたり、神の召しを感じたり、突破口や救いの道として希望として受け取られたりして、人生の悪い要素から逃れ、良い道を切り開くためにSクリスチャンセンターの活動に積極参加する決断につながる。

b−2)『霊の見分けの器(人)』『霊的に敏感な人』が神によって配置されていて、教会内の悪霊の動きを把握していると言う。教会員や来会者から、悪霊の影響を受けた人物を選別する、と言う。 (2−A.a−3)参照)

b−3)これらのことで「悪霊への対応が出来ている」と自画自賛し、他のキリスト教会や一般社会への区別や優越を強調する。

b−4)悪霊から守られる範囲

 Sクリスチャンセンターの教会に留まることで悪霊から守られる内容は、命、健康または癒しの約束、家族の救い、自分の救いの保証となる信仰、神の声に聞き従う霊性、神の召しである。

b−5)悪霊から守られる条件

▽Sクリスチャンセンターに出席すること。奉仕活動をより積極的に行うこと。

▽日常生活で『祈り、預言、聖書通読』を必ずすること。

▽教会でも日常でも、精神的霊的に『Sクリスチャンセンターの教会と長老・牧師による、神の守りの傘』に入って、従順であること。奉仕者は、上位者に絶対服従すること。

▽個人を攻撃する悪霊に対して『神の御名によって出て行け』と命令する『霊の戦い』を行うこと。他の宗教の儀式に参加すると、悪霊の影響を受けるので、その前後に『霊の戦い』を行うこと。

▽一般の音楽やTV番組や新聞の種類よっては悪霊が働いているので、購読・視聴を制限すること。

▽人形やぬいぐるみは、悪霊が働くので、持たないこと。

▽人間関係を『見分ける』こと。Sクリスチャンセンターに反対したり、批判する記事は読まないこと。



1−G. 旧約聖書を根拠に、教会の神聖と服従を教える

 Sクリスチャンセンターでは、教職者を旧約聖書の祭司・預言者と重ね合わせ、常人とは違う特別に神がかり的なものとして使命を意識している。また、教会を旧約聖書での神が宿る神殿や幕屋になぞらえて教えている。そのため、メンバーがSクリスチャンセンターの組織を神聖視し絶対化する結果になっている。

 教職者は、これらを背景に教会に服従することや収入の1/10以上の献金を勧めており、それを神の秩序だと信じている。

 また、幸・不幸の原因について、この教えへの服従・不服従にあるともする。 (1−L.神の報いの法則 参照)



1−H.『感謝と賛美』『ことばには力がある』との法則とメンバーの自由な発言への規制

 逆境や失敗を、『感謝します』と口にすることで、神が良い結果に導く、との『信仰』を強調する。

 同時に「あなたがたの信仰のとおりになれ。」(マタイ9章29)との聖句を用い、「世の全ての人が発言する言葉を神が見ていて、神がその人にその言葉通りの結果を与える。」と教える。

 神学生以上のメンバーはこれを信じ、教会運営や奉仕達成のために本音での発言や発想を抑えている。これは健全で常識的な分析や問題意識を持つことを阻んでいる。

 教職者は、メンバー個人の健全な分析や問題意識を規制し、それに代えて「祈り・預言の義務 (2−B.a) の不達成」「訓練不足」「権威者への不服従」を口頭で注意したり『預言』『神の示し』の形で指摘する。メンバーはその指摘を『感謝』して受け入れる。この過程が信仰の動機によるマインドコントロールを進ませている。 (1−K.実務と個人の信仰の領域における、上位権威者の優越と責任の所在、1−L.神の報いの法則 参照)



1−I.『海外宣教』の強調

 牧師・伝道師・宣教師は、一年に1度以上『海外宣教』に出ることを勧められる。(九州地区では『オーダー』である。) これは、Sクリスチャンセンターの団体『聖所から流れ出る水ミッション』が主催する『海外宣教チーム』に参加することによる。1−A、2−Aの理由により、独自ルートで出ることは皆無である。

 神学生へも、参加を大いに勧められ、この中で『権威秩序』の実地教育を受ける。厳しい統率の様子に、非常識的なSクリスチャンセンターの献身者のあり方を、身を持って知るが、神から直接受けた『リバイバルの器としての召し』や、上位者が持つ『神の権威』を理由に、これを受け入れる。

 『海外宣教』をすることで、自らの地域の活動が進むとの「神の報いの法則」(1−L)を強調し、動機付けとする。

 『リバイバルの備えとして、海外のネットワークづくりをする』
 『聖霊の働きを流す溝掘り』
 『リバイバルの時に聖霊の働きが一気にネットワークを通して広がる』
 『全世界規模のリバイバルに用いられるためには敏感に神の声に聞き従い、今の間に訓練し備えなければならない』

というキーワードで、頻繁に『海外派遣チーム』が出る。多くの場合、創設者をリーダーに地方教会の牧師と奉仕者が数人から20人ほど参加する。『イスラエル派遣』には100人単位で一般信徒の参加を募る。

Sクリスチャンセンターの『海外宣教』とは、 ・視察 ・関係づくり ・聖地巡礼(祈り、神の示しを受ける旅) ・『権威秩序と聞き従い(リーダーに従うこと)の訓練』 が主で、付帯的に海外の教会・イベントでの説教奉仕がある。よって目に見える成果はあまり問われない。



1−J.『リバイバル』の強調

 人類の終末に『リバイバル』と呼ばれる、キリスト教信仰へ大規模な回心が起こるとする。これをSクリスチャンセンターの存在目的とする。

 このために、Sクリスチャンセンターの教会員全員が集められたとし、『一人ひとりに、神に召されたリバイバルの働きがある』と強調する。それで教会員を『リバイバルの器』と呼び、教会全体に「世界を救う」「神からの報酬を受ける」との高揚感を与えている。これによって、Sクリスチャンセンター外のすべての人類への宗教的優越を意識するようになる。

 『リバイバルの召し』『最高の神の召し』とする。これを全うすることを『神への服従』『神への愛』とし、最高最善の人生と位置付ける。同時に、従わない場合の差別的報いを教える。(「1−B.終末論の強調」を参照)

 創設者以外の責任長老・長老・牧師・宣教師・奉仕者・神学生の『リバイバル』への過剰な使命感によって、行き過ぎた統制が成り立っている。彼らはこれを、神から直接与えられた使命だと信じている。(「2.活動実態」参照)

 

1−K.実務と個人の信仰の領域における、上位権威者の優越と責任の所在

a.)「世界は全て『神の権威と秩序』で成り立っている」と強調し、以下を行う。

 上位権威者の意思や『指示』、上位権威者が神に受けた『示し』は、Sクリスチャンセンター奉仕者・教会員の個人の信仰、良心、意思に優越する。これを教える時、「世の中の会社組織は絶対服従が常識だ」と語る。

 奉仕者は、『責任長老』が受けた『神の示し』や、その『指示』『オーダー』に従うことにより、必ず神の働きがある、と信じている。

b.)問題が起きたときには「教会権威に従わないこと」による「個人の責任」とする。

 問題が起きたり、活動に支障が出た時、『神が立てた権威秩序』に従わなかったため、と先ず分析される。その場合、活動担当者の『処分』が行われたり、上位者の見方に従った『反省文』を提出させられる。また、場合によっては、『神の働きを止めた』として、上位者への謝罪や、反省の要求を、個人の信仰のあり方に結び付け、『神への悔い改め』として、要求する。また、責任長老の判断で、姿勢と忠実さを量られ、奉仕を降ろされたりする。

 また、個人が生活で教会の方針に従った結果、問題に遭った場合、同情の態度は表しても、誤りを認めたり、謝罪する事は全く無い。問題のすべては『訓練』と言われ、「個人の聞き従いの失敗」「個人と神との関係」とされる。この『神への聞き従いの訓練』『個人責任』『権威への服従』が、『Sクリスチャンセンター神学校』及第の基準である。神学生から奉仕者になる者は、必ずこの教えに縛られることになり、それが上位権威者の責任回避を可能にしている。

 

1−L.この世や人より『神を選ぶ』 その報いの法則

 強烈な終末的価値観の中で、この世の人生や人間関係よりも『神を選ぶ』選択が迫られ、メンバーの多くはその価値観を受け入れ選択する。その報いは『神と共に歩む』『神の手と支配による人生の導きを得る』『リバイバル(人類救済)のための働きが進む』『天国に宝を積む(天国での報いを受け取る)』ことである。メンバーはこれに心酔し、これだけが人生の目的になる方向へ指導される。またここ数年は、神とSクリスチャンセンター教会の位置付けが一体で同等であり、『神に従うとは、教会・長老・牧師に従うことだ』とされている。以下の項目はこの背景で行われている。 (関連:1−G.旧約聖書を根拠に、教会の神聖と服従を教える)

『献金により神の祝福を受ける』法則を強調する。神に従って献金をすることで、神が献金者に霊的、実際的に大きな報酬を与える、と信じている。牧師は高額な献金を勧めることを、信徒を益する事とし、神の使命または義務と考えている。「神に聞き従って、教会・牧師・奉仕者や、活動のプロジェクトに捧げることは、神に覚えられ、必ず報いがある」と語る。

『預言』『感謝と賛美』『海外宣教』『権威への服従』の励行によって、神が報いとして活動を進展させる、と信じている。逆に、活動が進まない場合、『献金』『預言』『感謝と賛美』『海外宣教』『権威への服従』の不実行を、原因とすることがある。

▼『特に重大な働きや、使命が大きい人には、必ず悪霊の攻撃が強くあったり批判を受けたりする』と言い、困難・逆境・批判を活動が正しいことの確認だとする。このため逆境・批判があっても『ただひたすら感謝する』という発想がある。 (1−F.b.)個人と悪霊 参照)

▼他方、奉仕と『聞き従い』への『不忠実』が、病い・生活の困難・悪霊の攻撃による精神的圧迫の原因ともされる。『神の使命から逃げると困難が起きる』と言い、これを旧約聖書のヨブ・ヨナの試練になぞらえて教える。「神は、人が救われ、神を知り、聞き従うようになるために、訓練として困難を与える」と言う。それで脱会者には必ず不幸が起こると教えている。

▼Sクリスチャンセンター内ではこの経緯で人の不幸を語ることが肯定されており、『責任長老』や一部の牧師が各地方の牧師会・礼拝・『カリスマ聖会』で抽象的・具体的に話す。主に脱会者の不幸を材料にしており、それをもとに教会への服従を迫っている。その中味は脱会独立した教会のメンバーにも意図的に電話などで流布される。話の内容は『神がその情報を権威者に教えた』として、確認もせずに事実として流布される。話の切り口は「神に従わない結果、悲惨な目にあっている」という一方的な解釈に終始する。

『困難は神が与えた試練だ』『神が奉仕者に足りるか試験している』『教会に従わないと不幸になる』『この教会を出ると悪いことが起きる。悪魔が攻撃する』『神があなたのために備えた人生の計画が失われる』教職者・預言者はこれらの言葉で、メンバーが奉仕者・神学生を辞めることや退会するのを留めようとする。会話・説教・神学校・預言でたびたび言う。



1−M.情報統制

 『責任長老』は、1−Bの終末論を基本にして、社会観、世界観、未来観を語り、それを教会員の日常の判断基準にするように勧める。『責任長老』発言を受け入れない時、終末期を見誤り、困難に遭うと教える。礼拝中に『預言』としても、この内容を言う。

 一般メディア・キリスト教メディアに対して、『悪霊の影響がある』『神に聞き従っていない』との理由で、鵜呑みにせず、Sクリスチャンセンターの見方を基準に『見分ける』ように教えられる。また、脱会者による情報については、特に『サタンの惑わしがあるので触れないように』と語る。

 教会員の発言が、『責任長老』の発言に反する場合、注意されたり、要注意人物としてマークされる。

 

1−N.『日本のキリスト教は人間教で神に従っていない』とする

 イザヤ・ベンダサンの著述を引用し、「日本のキリスト教会は、神より人間関係を重視しており、『神の御心』を行っていない。だから、奇跡が起こらず、伝道が進まず、人が救われない。」と断ずる。故に、他のキリスト教会の「神に従わないあり方」を警戒して協調しない。

「Sクリスチャンセンターは、独自に『神の声』を聞いて進むことで、本当の意味で神に仕える教会にならなければならない。」と強調する。『神の指示・オーダー』をそのまま行い通すため、教会内では、人間関係の情に流されないように、人の言葉を簡単に信じず『見分ける』ように、教育する。

 これが『教会の流れ』『聞き従い』(1−A)の基礎であり、『預言』や説教に反映され、教会と教会員の排他的独自性を形づくる原因となっている。

1−O.『新たな段階に入った』『霊的な段階があがった』〜進展する組織の霊的な姿を表現

   活動に進展があるのを皆が感じられるように、『目には見えないが霊的には段階があがった』と語る。年に数回は『次の段階に入った』と言われ、『Sクリスチャンセンターでは神のわざが進んでいる』との上昇志向と高揚感を持つ。
 これが言われるきっかけは新たな参加者があったり、新しい活動が始まった時だけでない。
 目に見える変化が無くても、参加者が減っても、この言葉で鼓舞される。かえって『神の手は目に見えない』と確信に満ちて語る機会となる。さらには、『段階があがる時にはサタンのアタック(悪魔の攻撃 1−Fb参照)が強い』と、目に見える衰退や逆境を肯定して悪く見える状況を「進展のあらわれだ」と表現する。
 聞く側がこの「霊的進展」を受け取れない場合、『不信仰』『悪霊の影響を受けている』と注意されるため、疑う心を追い出して「霊的進展」を受け取れるよう意識を変えようと努力する。
 この「霊的進展」を宣言する場面は、最初は『預言』の場で、創設者がそれを改めて神の言葉と認めて後、神学校や説教の録音を通して各下部教会に広められ、牧師や信徒の間で重要なキーワードとして言われるようになる。
 できるだけ早く、この『教会の流れ』を口にする事で、信仰が篤く『聞き従っている』人と評価される。




■2.活動のあり方

2−A.『カバーリング』と呼ばれるピラミッド体制 (1−A、1−D、1−K参照)

a−1) 職制の上下関係、『使徒』への『神の示し』と『教会の流れ』

 Sクリスチャンセンター全体で信じられている教義や運営体制を描き、教え、組織形成をしているのは教団創設者である。彼は自らを『責任長老』とし、『使徒』的役割を持つと言っている。

 現在、教団内において、彼らが『権威』と呼ぶ奉仕者の「力関係」は、上位から『使徒』『牧師』『宣教師』『預言者』『伝道師』となっている。『責任長老・長老』の中でも『使徒』『牧師』の上下関係がある。また、『責任長老・長老』の近い位置(配偶者など)に居て重用される『預言者』の『預言』は、地方教会の牧師より権威が優越することがある。(『使徒』『預言者』は、Sクリスチャンセンター内の正式な職制ではないが、メンバーには奉仕の形態としてかなり強い存在感があり、その言葉には決定的影響力がある。)

 創設者は、「『預言』や自然現象・社会現象・人の行動などを、『神の示し』として神が自分に見せている」と主張する。「神が見せるので、特別な正確さを持って未来を予見している」と語り、教団と関連法人に具体的な活動の指示や方向付けを行う。これを『教会の流れ』と称し、各教会・奉仕者のすべての活動に整合を求める。Sクリスチャンセンターの奉仕者は、彼を『神が立てた使徒』と信じている。 (a−4)『裏預言』『悪霊の見分け』『神の癒し』による権威の確立を参照)

a−2)『カバーリング』と「指揮命令系統」

 『責任長老は神が立てた権威だ』とし、その『カバーリング』や教会に参加すること脱退することは基本的に個人の責任とする。その個人の責任を前提に、地域の複数の牧師・宣教師の上に『長老』を置き、日本と海外を地域別にブロック分けしている。その上に『責任長老』を置いて権威的指導体制を敷いている。

 各地方教会の牧師は、自己決断・自己責任で『神に従うのと同じように、長老に絶対服従しなければならない』と信じている。また、『たとえ長老が間違っても神が責任を取る』と信じている。しかしそれは、「Sクリスチャンセンターにはこの体制なので神の手が働くが、他所では神は働かず困難がある」と信じ込んでいる結果と言える。しかし、『責任長老・長老』は、創設者の指示を無批判に受け入れる者が配されており、自浄機能は全く無い。

 創設者は、神から受けたとする指示を、『神の働きが進むために』と信仰に訴えて、各個教会の神学生に神学校(地方には録音)で呼びかける。

 『神の指示』が各教会の牧師・奉仕者へ伝えられた時は、絶対服従すべき『指示』『オーダー』となる。これについて『軍隊と同じような規律が必要だ』と教える複数の『責任長老・長老』が居り、この「指揮命令系統」を『神が立てた権威と秩序』と呼んでいる。

a−3)『悪霊の見分け(判定)』

 教団本部である東京教会には、『カナリヤ』と呼ばれる『霊的に敏感な人』と呼ばれるメンバーが居て、教会員と来会者の中から『霊的に悪いもの発している人』を選別判定し、創設者に逐一報告している。この『霊的な敏感さ』による判定を『霊の見分け』と呼ぶ。それら『カナリヤ』と呼ばれる人たちの多くが、『預言者』を兼務しており、教団・教会運営に影響を与えている。彼ら『カナリヤ』の報告がそのまま教会内の個人評価になることが多く、多くの会員が彼らの主張や行動を注視し、自分に悪霊の影響が来ていないか内心戦々恐々としている。指摘を受けた人は皆から避けられるようになる。

 しかし、「悪霊の動きのパターン」や『カナリヤ』の概念を描き、教団全体に教えているのは、教団創設者である。そして、国内外の長老・牧師・宣教師・奉仕者たちはこれを手本にして、自分の地方教会に悪霊対策を取り入れようと努力している。また、彼らの奉仕の現場では、ただ直感によって下位奉仕者や教会員に悪霊の影響を指摘しているように見えるが、実際は従順で忠実かどうかの評価が大きく影響している。

a−4)『裏預言』『悪霊の見分け』『神の癒し』による権威の確立と奉仕者任命

  また、教団創設者は、「『裏預言』という皆には明かせない特別な『神の示し』があって、個人や世界、社会の運命を把握している」「教会と社会の多くの事件を予見していた」と牧師会等で主張する。彼はa−3『預言者』たちのする『預言』によって『裏預言』が多くされていて、未知の『神のことば』を持っていると周囲に思わせている。また、『霊の見分け』や、彼の周りに『神の癒し』とされる医学的奇跡が起きたことを、彼自身や牧師たちが繰り返し説教で語りSクリスチャンセンター全体に浸透させている。これらの『預言』『見分け』『預言者』たちを管理し、預言・見分けの内容の一部を秘匿しているように見せることによって、権威の優越を保っている。また、創設者は、神の特別な示しをとらえられる理由として、『聞き従い』の徹底した姿勢とそれによる過去の経験の実績を挙げている。

 これが、教会メンバーが教団創設者の権威を認め、怖れや信頼感を持ち服従することの大きな拠りどころである。そして、その創設者が「神の示しによって奉仕者を任命している」と主張することが、他の責任長老・長老・牧師・宣教師・伝道師が就任する決意や権威付けの元となっている現状がある。

 しかし、信徒として脱会を申し出た人に対して、創設者が牧師のオファーをしたという証言が多くある。そのため、奉仕者任命を人心の引き止めに利用している、と指摘されている。そのように『神の指示』や『預言』によるとされる活動方針や『予知』の内容は、食い違いや矛盾があって一貫性が無い。しかし、それらを『神の意思』とし『教会の秩序』に従うことを要求する。最近の『預言』や礼拝説教に『権威への服従』についての内容が多いことが、個人の信仰より組織維持を優先する体質を表している。

a−5)『信仰の歩み』と責任感、活動・権威のコピー

 責任長老、長老、牧師、伝道師の中には、任命を受けたことを神からの一方的なものと受け止め、『神が立てたので、神が働きをし、神が責任を取る』という姿勢をとる者が居る。彼らは、上位からの指示による行動に関しても、自分の奉仕に関しても、主体的に責任を取ることがない。

 他方、『神に任命された』ということを過剰に責任感として意識し、自他に異常に厳しい要求する者たちも居る。

 前者は『東京教会』、後者は『長崎教会』の出身者に多い。

 彼らは共に、創設者A氏や教団ナンバー2である長崎の責任長老K氏の発言と、この二人の主管教会のやり方をそのまま取り入れて活動をする。人によっては、それに加え、この2人の責任長老の権威を笠に着て、自分の言動に権威を持たせ、下位奉仕者や信徒に厳しく接し、時に理不尽な要求をする。

a−6)メンバーの精神への影響

 これらの一方的な「神の権威がある長老・牧師の言葉」と「悪霊の判定」が、個人のセルフイメージを著しく損ない、精神のバランスを崩す大きな要因となる。



b.)『預言・霊の賜物の管理』による縛り(1−D.『聖霊の賜物』による超自然的現象の強調参照)

 神が与える聖霊の働きについて、魅力を強調する一方、神からではないが超自然的な存在として悪霊や精神的・心理的なものについて語り、注意を促し、その危険性と『神が定めた権威秩序』に従って守られる必要を絶えず説く。守られるには上位権威者に服従して『管理』を受けることだとする。「Sクリスチャンセンターは『見分け・管理』がしっかりしている」と、安全の差別的優位を語る。このことで、さらにメンバーにSクリスチャンセンター独特の様々な規制や指導を受ける動機が深まり、必然的に権威的縛りを受け入れることになる。

c.)リバイバル名目の締め付け

 教会運営や牧会の実態として、『霊の賜物による終末のリバイバルのために、教会の基盤を強化する』という名目で、『長老の権威』による恣意的な締め付けが全てまかり通っている。

d.)責任長老・牧師・宣教師による実務指示の恣意性

 東京にある教会事務局・海外宣教事務局・出版などの法人、全国の複数の神学生を随行する海外奉仕では、『責任長老』『神の計画を通す』ためとして、会計法・企業法や常識を超えて、恣意的指示を出すことがある。実務奉仕者や随行員は、『神の権威への服従』として、絶対服従を強いられる。主体性や反論を許されず、常識的で妥当な考え方は、はじかれる。地方や海外の牧師・宣教師によっては、これと同じ手法で牧会や奉仕をする。

e.)原則無給での派遣

 地方教会は、原則、経済のサポートは無い。日本国内から海外へ派遣された宣教師・牧師には支給があるが、自給できる場合や元々現地在住だった場合は、無給である。

f.)『責任長老』巡回への金銭負担

 『責任長老』は自らの動機で年に複数回、国内海外への巡回奉仕をするが、各教会の経済状況に関わらず、定額の謝礼を『オーダー』している。国内の場合、交通宿泊費の負担も課される。これも1−L項の『神の報酬の法則』による。

g.)脱会の自由と、止めるアプローチ

 教会が『カバーリング』を脱退することや、奉仕者が各個教会から脱会することは、表向き自由とされる。しかし、教会単位、家族単位で出る場合、長老から、人間関係・家族関係を分断するアプローチがあり、残留を促される。その口実は、(脱退の首謀者は)サタンに惑わされている。精神的におかしい』『あなたも一緒に出ると召しから落ちる。酷い目に遭う』などである。また、『神からあなたに言うように言われた』『預言であなたの運命がこう語られた』などと言って説得することもある。

h.)「脱会後は悲惨である」と教える

 説教や神学校では、あらかじめ、『脱会すると、悲惨な目に遭う』と教えている。また、脱会者が語るSクリスチャンセンター内で体験した困難やその後の問題ついて、脱会者個人の責任とする。

i.)困難を訓練だとして、助けをしない

 神学生の個人的困難について、教会側が実際的に配慮したり、譲歩することはあまり見受けられない。これは『奉仕者になるための訓練』とされ、「個人の聞き従いの失敗」「個人と神との関係」と言われる。神学生側では、「神が解決する」との思いや、「任命が遠のく」との恐れから、申し出ないことが多い。また、神学生の間でも『助けの手を伸べるのは、その人への神からの訓練を止める』との認識から、助け合うことを否定する価値観が植え付けられている。



2−B.教会政治の統制的中味

a.)神学生・奉仕者・宣教師・牧師は、@Aを最低限のこととして要求される。

@日常生活で『朝5時半からの祈り、一日5時間の祈り、150回の預言、10章の聖書通読』の日課を守らされ、時間・回数を記録し、上位者に提出している。神学生は、神が直接上位権威者に自分の実態を教える、との怖れから、忠実に日課の実行に努め、正直な申告を行っている。

A日曜の複数の礼拝、平日の礼拝、早朝と夜の祈祷会、神学校の授業の皆出席。(教会によって集会数が違い、突発的に『神の示し』で変更がある。)

 これらを満たしていない場合、上位者から注意されるが、それでも、満たせない場合、処遇で不利になる。@Aを満たせない理由は、どのような事情があっても上位者に考慮されず、『神と召しとリバイバルのために』無条件で満たすことを迫られる。しかし、上位者・教会への服従度、貢献度により、条件が緩和されており、そのため上位者への「すり寄り」や迎合がある。

b.)責任長老・長老・牧師・宣教師は、教会員・来会者を『悪霊の影響下にある』『悪霊が入っている』と一方的に判定する『霊を見分る権威』を持つ。教会内ではその人物に直接『悪霊追い出し』をしたり、そのための祈りが行われる。また、教会奉仕者は長老・牧師の判定と指示に従ってその人物の監視・報告をする。

c.)責任長老・長老・牧師・宣教師を批判・否定した人物を『サタン・悪魔に惑わされた』と教会内に知らせる。また、批判自体を『サタンの働き』とする。神学生・教会奉仕者にはその人物との交流によって悪霊の影響を受けないように注意を促す。

d.)責任長老・長老・牧師・宣教師は、神学生・教会奉仕者に『悪霊の影響』を常に避けるように指示する。

▼『悪霊からの守り』のために、a.@の『朝5時半からの祈り、一日5時間の祈り、150回の預言、10章の聖書通読』の日課を守らせる。

▼『悪霊の影響』があるとして、以下の指示を出すことがある。

  親族を含めた未信者との交流の制限

  夫婦以外の男女の隣席禁止

  情報・娯楽・服装・嗜好の制限

  教会に来ている子弟への教育・制限事項の指示・注意

  悪霊の影響下にあると判定された人物との接触・交流禁止

  神学生間の自由な会話・集会は、『作り話・噂話の悪霊』が働く温床になるので、禁止

e.)批判的な理由で脱会した人物について、

▼『精神的問題がある』『信仰がおかしくなった』『悪霊に惑わされた』との評価を発表する。

▼それが牧師の場合、Sクリスチャンセンターの全国の教会で発表し、一切の交流を禁止する。

▼その人物による過去・現在の発言記録・文書に触れることを禁止する。

▼脱会者や外部の批判者が、病気、死亡、困窮などに遭ったとの伝聞があると、確認なしにそれを伝え、

『この教会の守りから出て、この教会と権威に逆らった結果だ』

『神が立てた権威と教会を批判することは、神に逆らうことだ』と教会内で教える。

f.)神学生・教会奉仕者が、長老・牧師・宣教師の指示や注意に従わない場合は、教会奉仕から下ろされたり、処分され、その事実を教会内で周知される。また、要注意人物としてマークされる。

g.)神学生・教会奉仕者は、『オーダー』の結果を、その言葉通り寸分違わず出さなければならない。達しない場合、ちょっとした不注意や遅れであっても、家庭の事情などがあっても関係なく、『神のオーダー』だからと厳しい注意や叱責、処分が行われる。長老・牧師・宣教師による注意や叱責は、『あなたのやったことは神の前に悪い事です』『私は奉仕を命がけでやっています』との言葉を使い、奉仕者の姿勢そのものを批判する。これと終末論と試練の教え(1-B,1-L)が相まって、精神的圧迫と命の恐怖・脅迫感を与え、無条件の自己否定と服従と忠実さを迫る。



2−C.犠牲を伴う奉仕活動

a.)Sクリスチャンセンターは、『終末の裁き』『殉教』『悪霊の影響・見分け』『神の癒し・預言』『神の声・召し』を強調して、Sクリスチャンセンターの教会で奉仕することを促す。

b.)その前段に、まず安定会員を『S神学校』に入れる。(授業は東京と長崎で収録され、各個教会にインターネット配信される。授業は有料である。)

c.)人によっては神学生の自覚無く、ただの学びのつもりで出るが、授業料を払い、週3回以上の礼拝や集会、一日2コマ週数日の授業出席を促される。そこで、毎回、Sクリスチャンセンターのビジョンと『神のわざ』を起こす『聞き従い』のあり方と、今までの実績を語り、個人の信仰に働きかける。そうして、Sクリスチャンセンターの国内教会、関連法人、海外拠点で活動する動機を、神からの使命として、自発的に持つように啓発する。礼拝中に目をつぶらせ、献身の決断を頻繁に募ることもある。また、活動の手段や守りとして『賜物』『悪霊』『権威秩序』の重要性を説く。海外在住奉仕者も、有料での受講が義務である。

d.)一定期間、出席実績があると、教会内の用事を頼まれるようになる。また、『聞き従い』『預言の訓練』『賜物』『悪霊からの守り』のためにと、2−B.a@の『朝5時半からの祈り、一日5時間の祈り、150回の預言、10章の聖書通読』の日課を守らされるようになる。

e.)この中で、長老・牧師から強制ではない打診を受け、牧師・伝道師・法人スタッフ・教会スタッフ・海外宣教師などの奉仕者になる。神学生は、打診について、長老・牧師が『神の示し』を受けた結果と認識する。これらのことは、本人や周囲の神学生に、『神に選ばれ、任命された』『忠実さの結果』と映る。このため、神学生は、日常生活を犠牲にし、過剰に時間を費やして、神学生としての教会奉仕や日課、集会・神学校出席をする。また、長老・牧師への絶対服従を徹底し、無理な要求にも答える。

f.)しかし、実際に奉仕に就くと無給であったり、孤立無援であることが多いため、神学生時代に増して、必要経費の持ち出しや時間をとられ、家庭生活や就労を犠牲にすることがある。

g.)神学生・奉仕者・宣教師・牧師は、1−A以下のすべての内容を要求され、『神の権威』を持った上位者への無条件の服従を要求されることから、家族間の不仲が起きたり、身体的精神的健康を害することがある。また、神学校の内容や、長老・牧師のあり方・発言になぞった、理不尽な内容の『神の声』を常に意識するようになることで、自らを追い込む場合がある。また、自らを『権威者』として、他者へ抑圧的行動をする場合がある。

h.) 教団法人が発行する月刊誌、単行本、新聞について、各牧師と奉仕者は、責任長老や管轄長老が捉えた『神の指示』に従った部数の購読を『オーダー』される。



2−D.対外的な活動

 2−C.の「犠牲を伴う奉仕活動」を背景に以下の活動を行う。

a.)『神の癒し』を前面に出し、アピールする。これを、伝道の手段と位置付けている。

b.)各地で『カリスマ聖会』という集会を開き、『預言』『神の声』『神の癒し』『海外宣教』を強調する。表向きは「開かれた超教派セミナー」だが、実質、他教会からの奉仕者・献身者集めとなっている。(3.を参照。)

c.) 海外での孤児院活動の報告と献金要請を、国内各地で行っている。

d.) キリスト教信仰月刊誌、単行本、新聞の発行を行っている。 その一環で、海外の著名牧師の著作を翻訳・印刷し、国内で販売、アジアなどで配布している。このことで、信用が得られるとする。出版については、クリスチャン新聞に広告を打っている。

e.) 欧州・イスラエル・米国・南米に宣教師を置き、教会の活動をしている。合わせて、アフリカザンビア、フィリピン、カンボジア、ブラジルで孤児院活動をしている。

f.) これらが、『終末のリバイバルで大教会になることに備えて、神に召されたSクリスチャンセンター奉仕者を集めるため』に行われている。



■3.参加してから教団活動に至るまでのパターン

 大量脱会があった2004年頃まで、以下のようなアプローチが盛んに行われていました。

 まず、Sクリスチャンセンターに参加すると、はじめは、
『人生における神の計画があなたにある。あなたは神に召された器だ。』
 という言葉を言われます。
 それは、長老・牧師からの『預言』『示し』(すなわち『神からの言葉』)として、名指しで言われます。
 そして、『あなたへの神の計画がこのSクリスチャンセンターの中にある。』と言われます。
 具体的内容としては、
  『悪霊からの守り(または癒し)のためにこの教会に導かれている』
  『人生の道が開かれる』
  『海外宣教に召されている』
  『(神から与えられた預言、癒し等の)霊的の賜物がある』
  『牧師(または預言者,宣教師等)に召されている』
など。
 言われた方がその言葉を信じて安定して来るようになると、
『この教会を離れるとサタンの攻撃に遭う。人生への神の計画が失われることになる。』
 と言われるようになります。
 さらに、その内容は教会在籍や奉仕の事にとどまらず、
『人生そのものまで失うことになる』とまで言われたりします。
 長老・牧師は『預言』を言った後に、
『新約時代の預言は間違うこともあるので吟味してください』と付け加えます。
 しかし、説教では、
『人生の計画・召しを受け取るには、へりくだって神に聞き、神の声に従うことです』
『誤って召しを受け取らないと後悔することになる』
などと語り、
預言であらかじめ言っていったことについて、人生や信仰に絡めて動機付けをします。
 また『聞き従い』に関係のない説教でも下のような内容が多い。

『人には罪がある。たとえ自分がどうしようもない存在に思えても、神は見捨てず用いる。神の目にあなたは高価で尊い。自分を卑下しないで神からのものを受け取りなさい。』

 Sクリスチャンセンターに限りませんが、宗教教育で植え付けられるものとして、「悔い改め」徹底による罪意識、人の救いが自分の伝道にかかっているという使命感、病や悲惨を解決する志向があります。そのまじめな求めを持っている方や自己イメージに傷を持っている方が、Sクリスチャンセンターが語る「超自然的な解決、神のビジョン、召しの声、受容、自己存在の引き上げ」を説得されてここに居場所を見つけてしまうことが見受けられます。



■4.責任長老・長老・牧師・宣教師・奉仕者が置かれている心理状態(創設者を除く)

4−a) 『この教会は神がリバイバルを行うために建てた。だから、この教会に集うものは、皆リバイバルの器で、献身者として神に召されている。この中で、自分も召されており、来た人にもそれを教えて、神の器として建て上げよう。大勢集わせ、一人一人に賜物と服従の訓練をし、Sクリスチャンセンターでの召しの準備をしよう。』

4−b) 『神が任命し権威を与え自分の上に立たせた長老・牧師に従え。長老・牧師に従うことは神に従うことだ。長老の言うことは、絶対に間違いはない。たとえ間違っていても、神が責任を取るので大丈夫だ。だから、無理な指示にも従わなければならない。』

4−c) 『一人一人祈り神に聞き従え。しかし、教会の流れの中で導くので、惑わされないように注意しろ。自分が受けた預言、示しが、教会の流れと合っているか注意しろ。一人で動くとサタンの攻撃を受け、霊的に危険だ。教会の守りにとどまれ。神の召しから落ちないように注意しよう。そのためには、苦しくても、与えられた奉仕や、集会・神学校出席、祈り・預言の日課を、忠実に行わなければならない。』

4−d) 『今自分に神のわざが現れていなくても、Sクリスチャンセンターの流れに従って神に聞き従っているなら、将来必ず神のわざが現される。信仰の歩みだ。Sクリスチャンセンターは神の直接牧会だから指示に間違いはない。権威者が間違えれば神が取り扱う。Sクリスチャンセンター全体で神のわざが現れているから、Sクリスチャンセンターは間違っていない。今自分の置かれた場所に留まり状況を乗り越えなければ、神は私を用いられない。今、ここから落ちることは人生の損失だ。今の困難や反対も、神のわざを阻止しようとするサタンの働きで、乗り越えるべき、神が許された試練だ。』




■5.脱会者のその後

△Sクリスチャンセンターが、健全なキリスト教会だと思って参加し、自他の魂の救いを大いに動機付けられて熱心に目指していたので、目にしたSクリスチャンセンターの体質と自分の目指していたもののギャップに悩みます。

△仕事・財産・家族・日常生活に深刻な影響が出ています。

△キリスト教会への不信感が大きく、一人で信仰のあり方を模索する方、信仰から離れる方、教会に行くことができない方があります。

 

 

■6.脱会者が必要とするもの

△Sクリスチャンセンター・預言・聖書解釈・教会権威・教会政治に関する正しい客観的情報。

△カウンセリング・共感・理解。

 長老・牧師への理不尽な命令や絶対服従が徹底されていたので、そこで損なわれたものからの回復が必要です。それは、人間関係への不信からの回復、信仰の自立、生活の価値観の再確立などです。




文責・管理者:y.niho

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