<Sクリスチャンセンター脱会者の記録>


Sクリスチャンセンター教義と活動


■2.活動実態


2−A.『カバーリング』と呼ばれるピラミッド体制 (1−A、1−D、1−K参照)


a−1) 職制の上下関係、『使徒』への『神の示し』と『教会の流れ』

 Sクリスチャンセンター全体で信じられている教義や運営体制を描き、教え、組織形成をしているのは教団創設者である。彼は自らを『責任長老』とし、『使徒』的役割を持つと言っている。

 現在、教団内において、彼らが『権威』と呼ぶ奉仕者の「力関係」は、上位から『使徒』『牧師』『宣教師』『預言者』『伝道師』となっている。『責任長老・長老』の中でも『使徒』『牧師』の上下関係がある。また、『責任長老・長老』の近い位置(配偶者など)に居て重用される『預言者』の『預言』は、地方教会の牧師より権威が優越することがある。
(『使徒』『預言者』は、Sクリスチャンセンター内の正式な職制ではないが、メンバーには奉仕の形態としてかなり強い存在感があり、その言葉には決定的影響力がある。)

 創設者は、「『預言』や自然現象・社会現象・人の行動などを、『神の示し』として神が自分に見せている」と主張する。「神が見せるので、特別な正確さを持って未来を予見している」と語り、教団と関連法人に具体的な活動の指示や方向付けを行う。これを『教会の流れ』と称し、各教会・奉仕者のすべての活動に整合を求める。Sクリスチャンセンターの奉仕者は、彼を『神が立てた使徒』と信じている。 (a−4)『裏預言』『悪霊の見分け』『神の癒し』による権威の確立を参照)


a−2)『カバーリング』と「指揮命令系統」

 『責任長老は神が立てた権威だ』とし、その『カバーリング』や教会に参加すること脱退することは基本的に個人の責任とする。その個人の責任を前提に、地域の複数の牧師・宣教師の上に『長老』を置き、日本と海外を地域別にブロック分けしている。その上に『責任長老』を置いて権威的指導体制を敷いている。

 各地方教会の牧師は、自己決断・自己責任で『神に従うのと同じように、長老に絶対服従しなければならない』と信じている。また、『たとえ長老が間違っても神が責任を取る』と信じている。しかしそれは、「Sクリスチャンセンターにはこの体制なので神の手が働くが、他所では神は働かず困難がある」と信じ込んでいる結果と言える。しかし、『責任長老・長老』は、創設者の指示を無批判に受け入れる者が配されており、自浄機能は全く無い。

 創設者は、神から受けたとする指示を、『神の働きが進むために』と信仰に訴えて、各個教会の神学生に神学校(地方には録音)で呼びかける。

 『神の指示』が各教会の牧師・奉仕者へ伝えられた時は、絶対服従すべき『指示』『オーダー』となる。これについて『軍隊と同じような規律が必要だ』と教える複数の『責任長老・長老』が居り、この「指揮命令系統」を『神が立てた権威と秩序』と呼んでいる。


a−3)『悪霊の見分け(判定)』

 教団本部である東京教会には、『カナリヤ』と呼ばれる『霊的に敏感な人』と呼ばれるメンバーが居て、教会員と来会者の中から『霊的に悪いもの発している人』を選別判定し、創設者に逐一報告している。この『霊的な敏感さ』による判定を『霊の見分け』と呼ぶ。それら『カナリヤ』と呼ばれる人たちの多くが、『預言者』を兼務しており、教団・教会運営に影響を与えている。彼ら『カナリヤ』の報告がそのまま教会内の個人評価になることが多く、多くの会員が彼らの主張や行動を注視し、自分に悪霊の影響が来ていないか内心戦々恐々としている。指摘を受けた人は皆から避けられるようになる。

 しかし、「悪霊の動きのパターン」や『カナリヤ』の概念を描き、教団全体に教えているのは、教団創設者である。そして、国内外の長老・牧師・宣教師・奉仕者たちはこれを手本にして、自分の地方教会に悪霊対策を取り入れようと努力している。また、彼らの奉仕の現場では、ただ直感によって下位奉仕者や教会員に悪霊の影響を指摘しているように見えるが、実際は従順で忠実かどうかの評価が大きく影響している。


a−4)『裏預言』『悪霊の見分け』『神の癒し』による権威の確立と奉仕者任命

  また、教団創設者は、「『裏預言』という皆には明かせない特別な『神の示し』があって、個人や世界、社会の運命を把握している」「教会と社会の多くの事件を予見していた」と牧師会等で主張する。彼はa−3『預言者』たちのする『預言』によって『裏預言』が多くされていて、未知の『神のことば』を持っていると周囲に思わせている。また、『霊の見分け』や、彼の周りに『神の癒し』とされる医学的奇跡が起きたことを、彼自身や牧師たちが繰り返し説教で語りSクリスチャンセンター全体に浸透させている。これらの『預言』『見分け』『預言者』たちを管理し、預言・見分けの内容の一部を秘匿しているように見せることによって、権威の優越を保っている。また、創設者は、神の特別な示しをとらえられる理由として、『聞き従い』の徹底した姿勢とそれによる過去の経験の実績を挙げている。

 これが、教会メンバーが教団創設者の権威を認め、怖れや信頼感を持ち服従することの大きな拠りどころである。そして、その創設者が「神の示しによって奉仕者を任命している」と主張することが、他の責任長老・長老・牧師・宣教師・伝道師が就任する決意や権威付けの元となっている現状がある。

 しかし、信徒として脱会を申し出た人に対して、創設者が牧師のオファーをしたという証言が多くある。そのため、奉仕者任命を人心の引き止めに利用している、と指摘されている。そのように『神の指示』や『預言』によるとされる活動方針や『予知』の内容は、食い違いや矛盾があって一貫性が無い。しかし、それらを『神の意思』とし『教会の秩序』に従うことを要求する。最近の『預言』や礼拝説教に『権威への服従』についての内容が多いことが、個人の信仰より組織維持を優先する体質を表している。


a−5)『信仰の歩み』と責任感、活動・権威のコピー

 責任長老、長老、牧師、伝道師の中には、任命を受けたことを神からの一方的なものと受け止め、『神が立てたので、神が働きをし、神が責任を取る』という姿勢をとる者が居る。彼らは、上位からの指示による行動に関しても、自分の奉仕に関しても、主体的に責任を取ることがない。

 他方、『神に任命された』ということを過剰に責任感として意識し、自他に異常に厳しい要求する者たちも居る。

 前者は『東京教会』、後者は『長崎教会』の出身者に多い。

 彼らは共に、創設者A氏や教団ナンバー2である長崎の責任長老B氏の発言と、この二人の主管教会のやり方をそのまま取り入れて活動をする。人によっては、それに加え、この2人の責任長老の権威を笠に着て、自分の言動に権威を持たせ、下位奉仕者や信徒に厳しく接し、時に理不尽な要求をする。


a−6)メンバーの精神への影響

 これらの一方的な「神の権威がある長老・牧師の言葉」と「悪霊の判定」が、個人のセルフイメージを著しく損ない、精神のバランスを崩す大きな要因となる。



2−A.b〜i 『カバーリング』(実際)

 『預言・霊の賜物の管理』による縛り(1−D.『聖霊の賜物』による超自然的現象の強調参照)
 リバイバル名目の締め付け
 責任長老・牧師・宣教師による実務指示の恣意性
 原則無給での派遣
 『責任長老』巡回への金銭負担
 脱会の自由と、止めるアプローチ
 「脱会後は悲惨である」と教える
 困難を訓練だとして、助けをしない



「Sクリスチャンセンター脱会者の記録」表紙

Sクリスチャンセンター教義と活動 携帯menuへ

文責・管理人:y.niho