<Sクリスチャンセンター脱会者の記録>


Sクリスチャンセンター教義と活動



■1.教義的特徴



1−A. 体制・目的と『権威・聞き従い・信仰の歩み・神の主任牧会』


a.)組織・体制(『神の権威と秩序』『神への聞き従い』『神の主任牧会』による)

 「キリストが教会の頭」とのキリスト教の基本的な信仰姿勢を利用して、『イエス・キリストが主任牧師である』『Sクリスチャンセンターの教会は神に聞き従って事を行う』と称して実際上の教会組織の想定に取り入れ、教団の特徴付けをしている。日本国内の宗教法人格を持っていない。

 Sクリスチャンセンター創設者は、自分が『神の御声(みこえ)、神の御心(みこころ)』を霊的に聞き取っており、『神から与えられた権威』を持っているので、決して間違いない、と主張する。教会権威に従うことが神が与えた『秩序』だと教えており、徹底した上意下達の枠組みになっている。活動や教えの成就については、『キリストの主任牧会なので神によってすべてが成される』と言う。この成就のために、神に従う者は教会権威に従わなければならないと教える。これらを『神への聞き従い』と呼ぶ。(メンバーの当初の意識として『神への聞き従い』は純粋に神に対するものであり、「人の救い」が目的だった。しかし、創設者が神の声の正否判定権を独占して全教会に活動を指示し始めたため、このような現状になった。)

 創設者の発想によって、Sクリスチャンセンターにおいて人間側で最高権威を持つ『責任長老』とその下の『長老』という役職が設けられた。創設者は、自分を『責任長老』と宣言し、新約聖書にある『使徒』『預言者』の権威があるとする。この職制を『使徒・預言者の秩序』と称する。現在、創設者は特に『神が立てた神の権威』だとして、他からの批判を許さない不可侵な存在とされている。この創設者が持つ権威を批判した場合は神の裁きがあると教会・関連法人の全てで徹底して教ており、それを受け入れる者が教職者や奉仕者になっている。彼らにとって創設者の言葉は神の言葉と同等である。

 『責任長老』を最上位として、各教会・牧師・宣教師・関連法人を下に置いているこの体制を『カバーリング』と呼ぶ。長老たちは各教会と個人がその傘下で絶対服従して活動すべきことを奨励・説得しているが、その結果を各自の「自由意志による『神への聞き従い』なので自己責任」だとし、あらゆる結果責任を自らに認めない態度をとっている。グループ内各個教会の政治について『会衆制では人の思いが入り「神の御心」が行えないので監督制を採る』と言い、様々に起きている問題について教職者と教会員は『神が直接牧会する。人が入ると神のわざをとどめる』と言われ人間的に常識的な対応を一切しないように指導されている。


b.)体制・活動の目的
 体制・活動の目的を『終末のリバイバルでの巨大教会化』とする。そのために超教派の活動をすると謳い、クリスチャン新聞本誌に出版物の広告を掲載している。「自由意志」により『神の召しに従って』参加した教会員は、『終末のリバイバルのために神が建てた教会』と意識するように教育される。また、奉仕者になると『神からのリバイバルの使命』の意識を強く持つ。 (1−B.終末論、1−J.『リバイバル』、2−D.対外的な活動、3.教団活動に至るパターン 参照)


c.)『信仰の歩み』と過剰奉仕等
 長老・牧師は、教会の新規活動を神が示したという理由で『目には見えないが活動が霊的に存在する』と宣言し、『神への聞き従いによる信仰の歩み』と称して実態に見合わない過剰な活動、起業、会場契約を行うことがある。この実行のために教団メンバーや外部関係者に事実と違う説明をすることがある。奉仕者は家庭・日常生活・健康を犠牲にする程の活動をすることがある。教職者は活動毎に献金要請する。


d.)『神の手の顕れ』の宣伝
 『責任長老』
が、神の声に聞き従った結果、神の手の顕れとして、預言や、病気の神癒、国内100教会設立、出版とNPO法人の活動、海外宣教拠点の設立や、海外の有名牧師らとの関係を挙げる。これらのことを、『神への聞き従いと信仰の歩み』を条件に、神が特別な待遇をあらわした、とする。『神への聞き従いの結果は、神が責任を取る』との言葉で、神に委ねるように勧めがされる。奉仕者の説教はc.),d.)の内容をコピーしたものが多くを占める。(この種の説教の聖書テキストとして創世記22章【息子イサクを犠牲に捧げる】、マタイ14章29【湖の上を歩くペテロ】、ローマ4章19,ヘブル11:8等【アブラハムの信仰 】が決まって使われる。)


e.)服従の要求と叱責
 上記『神の働き』と称する活動の拡大のために、教会奉仕者に対して、『神への聞き従い』の範疇として、上位者からの『オーダー』(2−A.a−2)への徹底服従を迫り、成否によって奉仕者を厳しく裁く。奉仕者が『オーダー』を果たせない場合、『神への不忠実』として厳しく叱責され、奉仕の立場から降ろされたりする。 (1−K権威者の優越・責任の所在、2−B.g『オーダー』参照)


f.)『神への忠実』と『権威者・教会の服従』が同義
 『神への忠実』と『権威者・教会への服従』が同義となり、Sクリスチャンセンター内であらゆる良否の基準となり、徹底した二元的価値観となっている。社会一般の問題についても、「人は神の秩序に従わなければ、不幸になる。」と教える。このことで教会員は「神に聞き従うSクリスチャンセンターの長老・牧師は、神の権威を持っているので、幸福になるには、彼らに服従し仕えなければならない」との価値観になっている。 (1−F.a.社会を支配する悪霊、1−G.教会の神聖、1−L.報いの法則 参照)


g.)他教会・社会への優越を強調
 Sクリスチャンセンターの神に従う姿勢が、他のキリスト教会や一般社会に優っていると自画自賛し排他的区別をする。そしてSクリスチャンセンターに特別な『神の臨在』『神の計画』があることを頻繁に語る。Sクリスチャンセンター活動や病気の治癒などを神のわざの証(あかし)として、説教や神学校授業に挿入し、Sクリスチャンセンターの『神への聞き従い』の結果であることを強調する。 (1−F.a.社会を支配する悪霊、1−G.教会の神聖、1−L.報いの法則 参照)


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文責・管理人:y.niho