Sクリスチャンセンター教義と活動<
■1.教義的特徴
1−序.)
Sクリスチャンセンターが主張する教義や『預言・神の示し』とされる文言のすべては、聖書の内容とキリスト教カリスマ運動・ペンテコステ運動の独自解釈や焼き直しであり、神学的オリジナリティは全く無い。キリスト教の一般教理や姿勢に比べたSクリスチャンセンターの教義上の特色は、現在の個人の救いや成長の問題よりも、終末や預言、神癒など超自然現象を強調し、活動的な信者を集めることである。以下にまとめる。
▽「聖書の内容、キリスト教教理、信仰運動、終末論を巧みに組み合わせ、世界にキリスト教信仰への大規模な回心(リバイバル)、終末、キリストの再臨が今にも起るかのようなイメージを植え付け、教団への参加を動機づける」
▽「信じて行動・実践をした結果神が働いたという、創設者・教職者の霊的・奇跡的体験が教義を裏付ける強力な証明と受け取られており、合わせて神の働きを起こすために極端な実践主義の姿勢を強調することで教義の実現に説得力を持たせている。それを見聞きした人が、Sクリスチャンセンターが社会に決定的な信仰の覚醒を与えるかのように錯覚し、自ら参加することでその役割を担えるとの思いになる」
▽「預言によって終末的出来事を語るが、それは救いに関して聖書を解き明かすものではなく、よく知られた極端でセンセーショナルな終末論の内容を確定的に語る。その中で終末の困難ために教会組織を強化する必要があると権威主義を強調する。またそのような終末的動機で『神への献身』と『教会への服従』を求める」
創設者は『預言・神の示し』を「神の権威あることば」であると言っている。しかし実際は『預言』を利用して、創設者が描く伝道形態・組織・方法論・教義を発表している。創設者は『預言や癒しによって人が集まる』『神は終末の器(教会奉仕者)を集める』と神学校や牧師会の場で頻繁に語り、勧誘活動を奨励している。一方参加する側は、劇的な奇跡を行う神像を普遍的なものと信じ、その流れで『預言』や絵に描いたような終末論を信じている。牧師・奉仕者たちは創設者のこのような発言に従い、彼の語る体験を信じることを純粋なキリスト教会活動と確信してしまっている。
創設者は、教義を発表し説明する時に頻繁に以下のものを引用してきた。
救済論:アルミニウス主義
聖餐論:ルター派(共存説)
聞き従いと結果の現れ:ジョージ・ミュラー著「ジョージ・ミュラーの祈りの秘訣」
聞き従いと虹のしるし:ジャック・ヘイフォード著「オンザウェイ教会」
現代の聖霊の働き:デニス・ベネット著「朝の9時」 チョー・ヨンギ著「第四次元」
「感謝と賛美」:マーリン・キャロザース著「獄中からの讃美」
終末論:高木慶太・芦田拓也共著「これからの世界情勢と聖書の預言」
日本宣教の遅れ・神への絶対服従:イザヤ・ベンダサン著「日本教について」
また、特異な部分として以下のことを発言している。
▽『日本人の祖先は、失われたイスラエルの十部族の一つである。』
▽日付・暦へのこだわり
『クリスマスは、異教の祭りを引き継いだものであり、神のみこころではない。』
『太平洋戦争の開戦終戦が、カトリックのマリヤの記念日であり、悪霊の働きと関係している。』
『「過ぎ越しの祭りの時期には、必ず海外に行っていなければならない。」と神に示された。』
『「満月の夜に祈祷会を開きなさい。天使が降りてきて、終末のことを示す。」と神に示された。』(これで、満月の日毎に深夜祈祷会を開いている。)
創設者や『預言者』は、彼らの思い付きと海外の信仰運動や個人の奇跡体験を織り交ぜて「Sクリスチャンセンターに特に神が与えた示し」として語る。
以上の背景で教義と活動形態が出来ている。